ミスター大内人形! 桑原大内塗・小笠原貞雄先生
「大内人形をつくるひと」をご紹介していきます
大内人形に関して、長州苑では、4社もの製作所様の
作品を取り扱っておりますが、
こちらの4社、いずれも個性的な作品をお作りになり、
やはりそれを作成される先生方も、とても個性的なんです。
大内人形の魅力を、それをつくるひとの観点から
お伝えしていこうと思います!
ミスター大内人形!小笠原貞雄先生
さて、今回ご紹介させていただくのは、桑原大内塗の小笠原貞雄先生。
勝手に、「ミスター大内人形」なんてタイトルを
付けさせていただきましたが、大げさな表現でないくらい
大内人形にとって、山口の地にとって、重要人物なんです。
超絶技巧と、やさしい微笑み
小笠原先生の作品をじーっと見ていると、
すぐにふたつのことに気がつきます。まずひとつは
加飾(漆絵・箔絵・蒔絵・沈金などの、模様にあたる装飾)部分の
美しさが、ずば抜けていること。
全て手作業で行われているとは思えないくらい、精密です。
さらに、使うのにセンスの問われる「金色」を、
効果的に使用することで、繊細さの中に豪華さが加わり、
圧倒的な品の良さを感じさせます。
そしてもうひとつは、人形の表情のやさしさ。
大内人形といえば、にっこり微笑むお顔を連想されると
思いますが、小笠原先生のお人形のお顔は
ほんとにキレイなんです。
小笠原先生曰く、お顔は、イライラしたときには
絶対に描かないそう。
描く人の気持ちが、人形に伝わってしまうそうです。
(でも、いつもにこにこ、元気いっぱいの先生が
イライラするときなんて、存在するのだろうか...)
大内人形は、夫婦円満の守り神でもあります。
そういった気持ちをこめて、穏やかな気持ちで
つくっていらっしゃるというお話を聞いて、
とても嬉しい気持ちになりました。
漆へのこだわり
大内人形の歴史の中でも、様々な逆風が吹くことがありました。
そのうちのひとつが、大内人形の代名詞ともいえる
「漆(うるし)」の高騰です。
その頃、ほとんど同じ質感を再現できて、なお非常に安価な
ポリサイトなどの代用漆を使用する工場が現れました。
その中で、桑原大内塗ではあくまで大内人形の価値として
漆の使用にこだわり続けました。
もし、代用漆に手を出していたら、
そのときは非常に儲かったかもしれませんが、
今のブランドは保てなかったかもしれません。
そんな積み重ねられた職人としてのプライドやこだわりが、
先生の作品には、詰まっています。
(とはいえ、先生は頑固一徹!なところはまったくなくて
気さくでとても優しいお方ですよ)
小笠原先生についてまだまだご紹介したいことが
たくさんあるのですが...
(数々のTV出演や、極貧生活、山あり谷ありの青春時代、ロマンス、
カープ、サッカー、ボウリング、水泳、自転車、演歌、
ライバルでもある息子さんのことなど...ああ書ききれない!)
それはこの次の機会に
とっておくということで...
次回に続きます!
小笠原先生関連の、過去のブログも
併せてお読みくださいね。(どちらも2009年のものです)
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